学会賞

平成26年度の学会賞の授与について

第33回日本自然災害学会学術講演会が、平成26年9月24日~25日に、鹿児島県鹿児島市の鹿児島大学に於いて開催され、9月25日(木)に開かれた総会の中で、学会賞の授賞式が行われた。日本自然災害学会の学会賞として、功績賞、学術賞、国際賞が設けられている。

学術賞は、山本晴彦氏(山口大学)に授与された。

功績賞、国際賞に該当はなかった。

学術賞

受賞者
山口大学 山本晴彦氏
対象となる業績
以下の日本自然災害学会刊行の「自然災害科学」に掲載された3本の論文
受賞理由

豪雨による被害を軽減するためには、豪雨や洪水氾濫・土砂氾濫の特徴やメカニズムを解明するだけでは不十分で、豪雨や水害発生の時間経過や特徴と、警戒レベルの把握や避難が如何に行われたか、不備な点は何か、どう改善すべきか、ということを念頭において現地調査等を行い、得られたデータの分析を通して、具体的な防災対策や減災対策を考察し提案することが重要である。山本晴彦氏は常にこれらのことを念頭に置いて現地調査を実施し、調査対象とする災害事例で観測されたデータや被害発生の特徴が、既往類似災害事例の中でどのように位置づけられるかを徹底的に考察している。

受賞対象となった伊豆大島の土砂災害調査報告、大分北部での洪水災害調査報告、および兵庫県佐用町での洪水災害の調査報告において、噴火災害だけでなく土砂災害に対する防災計画の必要性、これまで経験してきた土砂災害の教訓を活かすことの重要性、降雨情報を避難に活かす体制の必要性、地域住民との協働で防災対策をまとめる中でのコミュニティーの防災力向上の必要性など、洪水・土砂災害に対する防災・減災に向けたソフト面の整備と活用の重要性を具体的に指摘しており、この業績は豪雨災害の防止・軽減に大きく寄与するものと評価される。よって、日本自然災害学会の学術賞に値するものと判断された。

なお、対象業績はいずれも山本晴彦氏を筆頭著者とする共著論文である。山本晴彦氏は本学会の会員であるが、他の共著者は非会員である。会員であることは、受賞対象者の必要条件としている。したがって本業績については、山本晴彦氏が単独で受賞対象者となることを付記する。


これまでの受賞者一覧